今回は勉強から少し離れた話題を。
これも医学生がとても興味があることではないでしょうか。
一人で書いているブログなので、残念ながら「この病院はどうなのか」の質問には応えられないのですが、一般的に予想される質問に回答する形式でいこうと思います。
ここで概略を掴むことはできるのですが、はっきり言って、最終的には「病院による」としか言いようがありません。
いきたい病院の情報は、インターネットで検索するなり、先輩にきくなりして情報を得た上で、必ず直接その病院に見学にいきましょう。
そもそもマッチングって何?
医学生と初期臨床研修病院をつなげるためのシステムです。いわゆる医学生の就職活動ですね。
医学生は研修を行いたい病院を見つけて見学に行きます。病院は見学に来た医学生の中から欲しい学生を決めます。それを結びつけるためのシステムです。
この際、病院側には受け入れられる人数の上限が決まっており、行きたいと思った病院に必ず行けるわけではありません。それをうまく繋いでくれるのがマッチングになります。
医学生は見学に行った病院の中から研修したい病院を「希望順に」ならべます。同じく、病院側も病院にきた医学生の中から欲しい医学生を「希望順に」ならべまず。後はこれを一定のアルゴリズムに則ってマッチさせていきます。
マッチングはアルゴリズムで決定されるので、自分が志望した順番に書きます。
まれに「この病院は微妙だけど、1位に書いた方が通りやすそうだから1位に書く」などの駆け引きをする人を見かけるのですが、それはアルゴリズムを理解していないからです。
そういった駆け引きは意味がないのでそこには気をつけてください。
アンマッチって何?
マッチングを行った結果、研修先の病院が決定しなかったことを言います。
例えば、2つ病院見学に行き、その病院をマッチングに提出したとします。相手側の病院が、残念ながら2つともあなたの希望順位が高くなかった場合、アルゴリズムを施行した結果、あなたにたどり着く前に定員が埋まってしまうことがあります。そうなるとアンマッチになることがあります。
アンマッチになった場合は、定員割れの病院などが募集をしていますので、そこに連絡をとって、再度その病院に見学に行って採用試験を受けます。そこで合格となるまで病院見学を続けます。
また、卒業試験に落ちて留年した人や医師国家試験に落ちた人を採用していたため定員が割れてしまう病院が出てきます。そうすると再度その病院が募集をすることがあります。
上手くいけば有名病院などにも空きができることがあるのですが、空きが出ても再度募集をかけないこともあるので気をつけてください。
病院見学の開始時期は?
近年早い学年から行く人たちが増えてきていますが、大多数は5年生の夏ごろからではないでしょうか。
行きたい病院の数がある程度絞られているなら5年の夏休みにまとめて見学に行けます。そこで希望が変わっても冬休み・(5年から6年にかけての)春休みがありますし十分間に合います。
余裕を持って早めに見学したいのであれば4年生から行ってもいいかもしれませんが、さすがに3年生以下は早すぎると思います。
病院側も「5(6)年生以降から病院見学を受け入れています」となってたりすることがあるので、HPなどでよく確認しましょう。
病院の情報はどうやって得るの?
レジナビやM3を使用している人が多いのではないでしょうか。かく言う僕も両サイトを使用していました。
これらのサイトは実際に見学に行った人たちの感想も書いてあるので、まずはここで病院の基本的な情報を得て、ある程度病院の数を絞ってから実際に病院に見学に行きました。
また地域によって時期は異なるのですが、レジナビフェアなどが実施され、多くの病院・医学生が参加しますので、それらを利用してまとめて病院の生の情報を得ることもできます。
ただ、レジナビフェアに参加しても表面的な話しか聞けないことも多く、病院によっては初期研修医が参加していないため、欲しい情報が得られないこともあるので、やはり行きたい病院は直接見学に行きましょう。
たまに疑問として上がるのが、「レジナビなどを病院見学の回数に含めるのか」というものがあるのですが、特に人気病院では病院見学の回数に含めないと考えるのが無難でしょう。
いくつの病院を受けたら良い?
マッチングに提出できる上限は決められていないので、書こうと思えばいくらでもかけます。
推奨はかなり難しいのですが、3-4つの病院を提出する医学生が大多数です。アンマッチを恐れて大学病院を一番最後に書く人が多いですかね。もちろん、大学で研修したくなければ書かなくていいです。
病院見学に行ける回数や興味が持てる病院などを考慮すると、そのぐらいの数の病院に落ち着くと思います。
病院見学はやってみると意外と面倒なので、初めはみんな意気込んでいても、結局3-4つぐらいになることが多いです。
「実際に行きたい病院がたくさんあるため、たくさんプログラムに提出する」ってパターンはラッキーだと思います。
病院見学は何回ぐらい行くべき?
一般化するのであれば2回かなと思います。
3回同じ病院に見学に行くのは、よっぽど「どうしてもその病院でなければだめだ」と言うような強い思いがないと、かなり時間を無駄にします。
病院見学に行くのは5-6年の臨床実習中や医師国家試験勉強中ですので、あまりに効率が悪いことは避けたいところです。
行きたい病院の場合、1回だと流石に印象に残りにくい。しかし3回はに労力に見合わない。で、無難な2回と言うところに落ち着きます。
もちろん3回以上行っても大丈夫ですし、病院によっては1回で十分なところもあります(僕の1年目の病院がそうでした)。
病院見学って採点されてる?
これは本当に病院によりけりです。一般化は不可能に近いです。
地方の全然人が集まらない病院では採点なんてしないでしょうし、1度見学に来てくれれば印象に残って「必ずきてくれっ」てなります。
人気病院ではピーク時には毎日何人もの医学生が見学に来るのでいちいち点数なんてつけたりしません。というか、そもそも仕事もあるので若干放置気味です(これは僕の1年目の病院の話です)。
もちろん、病院によっては人気病院でも採点するって話を聞いたことがありますが、実際のところはわかりません。
ただ、少なくとも「見られている」可能性はあるので、“やらかす” ようなことはしないようにしましょう。
逆に言えば、普通にしていればそこまで気にするようなことではありません。
CBTや採用試験の点数って重要?
ある程度必要です。
人気病院では受験者数が多く、ふるいに掛けるためCBTの提出や病院独自の採用試験をすることがあります。
病院側としても卒業試験や医師国家試験に落ちるような人はとりたくないので、それを避けるための足切りに使われたりします。もちろん、純粋に採用試験を重視する病院もあります。
大学病院にはたすきがけプログラムがあり、市中病院先を決めるのに採用試験で点数が良かった順に希望が出せたりします。大学病院は結構な人数を採用するので話し合いで公平に決定するのは難しいからです。
特に病院独自の試験を実施している場合は、わざわざ試験を作って実施しているわけですので、参考にする程度に差こそあれ、ある程度は見られていると考えられます。
病院見学に行くと病院独自試験の過去問をもらえたりすることがあるので、そういった試験を行っている病院では、初期研修医の先生に過去問の有無を聞いておくと良いでしょう。
たすきがけプログラムって何?
大学病院のプログラムでは、1年間を市中病院で、もう1年間を大学病院で研修すると言うプログラムがあります。こういうプログラムのことを通称たすきがけプログラムと言います。
1年目が市中病院で2年目が大学病院、1年目が大学病院で2年目が市中病院の両方あることが多いです。もちろん、2年とも大学病院のプログラムもあります。
1年目が市中病院で2年目が大学病院のプログラムの方が人気することが多いです。
市中病院って何?
大学病院以外の病院をまとめて市中病院と言います。たすきがけプログラムでは「外」病院って言ったりします。
例:大学病院の外内プログラム→1年目市中病院、2年目大学病院
マッチングおすすめ本
『まとめてみた マッチング対策』
医師国家試験マイナー対策でおすすめな『まとめてみた』シリーズのマッチング対策本です。
マッチングに関しての一般的な知識はこちらでも得ることができますし、質問に答える形式もありますので大体の疑問は解決できると思います。
『ハローマッチング』
こちらの本は一般的なことを知るというよりも、行きたい病院が決まった後にその試験対策に読む本という感じです。
研修病院の数年分の筆記試験・小論文の内容や、面接で問われたことなどが、受験生をもとにして作成されています。
毎年同じことを聞かれることはあまりないでしょうが、面接や試験でどういったことが問われやすいかの傾向を知ることができると思います。
どうしても人気病院の情報が多めになってしまうのですが、人気していない病院はそもそも試験を実施していないことがほとんどのため、仕方ないでしょう。
人気病院を受けようと思っている方は一度手にとってみるといいと思います。
結局、何が一番参考になる?
おすすめ本なども紹介しましたが、結局一番参考になるのは実際にそこで働いている初期研修医の意見です。
これまで皆さんと同じような経験をしてきているわけで、その人たちが働き出してその病院に対して思うようなことは、結局皆さんも感じることになる可能性が高いです。
だからこそ、マッチングでは行きたい病院が決まれば、必ず自分の足でその病院に見学に行ってください。
まとめ
皆さんが疑問に思いそうで、かつ基本的なことを中心に書きました。
マッチングに関しては他にも色々な質問があるかと思います。質問やご意見等ありましたら、Twitterなりお問い合わせなりにいただけると幸いです。
また需要があったら再度記事にします。