
今回は医学生の大目標である医師国家試験についてです。
『医学生のおすすめ勉強スケジュール』にもある程度勉強方法は書いています。
が、今回はもう少し突っ込んで書いてみようと思います。
前提として、CBTで8割程度とれている、そしていつも通り「必修9割、一般・臨床8割とれれば十分で、あとは医学部生活を満喫する」です。
余裕を持って開始して、余裕を持って試験本番をむかえましょう。
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この記事を書いてからずいぶん年数が経ち、医師国家試験も内容が少し変わっているかと思いますが、対策の本質は全く変わりません。
内容を確認しましたが、今でも変更はありません。自信を持って伝えられるものばかりです。
当ブログの中の人気記事になっているようで、僕も嬉しく、またブログを通じて伝えて良かったと感じています。
ぜひ参考にしてみてください!
医師国家試験対策はいつから始めるべきか
1日のどのくらいの時間を医師国家試験に使えるのかや、その人のベースに持っている知識量などの条件で当然変わってきます。
「1日のうちのほとんどの時間を医師国家試験勉強に使える」という前提があると、おそらく医学部生であれば知識がゼロに近くても1年あれば合格には届くと思います。
が、今回前提としているのはあくまでもこれまでの成績が平均ぐらいの人で、そして合言葉は「必修9割、一般・臨床8割とれれば十分で、あとは医学部生活を満喫する」です。
わざわざギリギリを攻める理由はありません。
医師国家試験が近づくと思った以上にプレッシャーがかかってきます。試験成績がいい人でもそうなるぐらいです。
また、卒業試験も控えています。
これを落とすと医師国家試験が近い時期に余計な時間を取られることになります。
卒業試験は前にも言ったように大学によってクセがあるので、馬鹿にせずある程度の対策を行うのがいいです。
そのためにも十分時間を残せるようにしておく方が無難です。
以上から、皆と同じように5年生から少しずつ始めるのが吉です。
医師国家試験予備校は必要か
結論から言えば、なくても合格できます。
高得点も普通に狙えます。
ですが、この場合はかなり個人の資質によります。
「基礎医学のころから自分で計画して勉強できていた人」と「試験直前に詰め込みつつなんとか通過してきた人」では全く話が変わります。
前者であれば、自分の勉強スタイルが確立しているでしょうから、予備校なしの問題集のみで高得点を叩き出しても何も驚きはしないです。
後者であれば、「医師国家試験の時の俺は違う!」と意気込んで勉強し始めても途中で挫折することもあるでしょう。
やり直しが効く時期ならいいですが、それこそ6年生が始まってから勉強し始めたのであれば取り返しがつかなくなる可能性も出てきます。
今回はあくまで平均的な成績の人を前提に考えて書いてます。
そしてその大多数の人は大学単位で予備校の講座をとっているかと思います。
その大多数向けに書いているので、予備校は必要とします。
予備校が必要だと考える理由は以下です。
- 濃淡をつけて講義をしてくれる(医師国家試験に出やすいポイントがわかる)
- 皆と同じ情報を得るため、孤独に勉強していて不安に駆られる心配がない
- 勉強リズムがつく
1に関しては、予備校というプロが個人では手に入れられない圧倒的な情報量を使用して講義ノートや問題集を作っているのだから、素直にそれを利用しようというコンセプトです。
個人でやると時間を無駄にすることを、個人よりも質が高い状態でわざわざやってくれているわけですから、それを利用しない手はないです。
教科書を片手に問題集を解く方法でも全く構わないのですが、教科書は良くも悪くも情報が載りすぎており、濃淡をつけるのが難しいと思います。
講義ノートなどで医師国家試験に出やすいポイントを押さえつつ、そこから教科書で補足していく方が効率がいいでしょう。
2については書いてある通りです。
圧倒的な成績をとっているなら気にならないところですが、平均点ぐらいの人で自分独自のやり方で勉強している人は結構不安になると思います。しかもその不安は医師国家試験が近づくにつれて強くなります。
「一昔前は独学で勉強している人は医師国家試験に落ちる」と言われていたようですが、インターネット全盛のこのご時世で情報が偏りすぎて医師国家試験に落ちるなんてことはまずないです。
ですが、周りが予備校の講座を受けて勉強している中で孤独に問題集のみで対策をしていると、「みんなは何か特別なことを知っているんじゃないか」という不安に駆られます。
みんなと違うやり方をしていると常に不安と闘いながら勉強することになり、余計な精神的エネルギーを使うことになります。
人間は孤独に弱い生き物です。医師国家試験前に余計なエネルギーを割かなくて済むならそれに越したことはありません。
3に関して。
予備校の講座は定期的に配信されていくので、そのスケジュールに乗れればそのまま医師国家試験本番を迎えることができます。
普段から自分で勉強スケジュールを立てながらやってきた方であれば、自分の能力であればこんな感じになるかな、と検討がつくかもしれません。
が、医師国家試験という未知なものですので、自分で勉強スケジュールを決めなくてもいいというのは計画が立てるのが苦手な方にとっては利点です。
5年生は臨床実習をしつつの勉強になるので、意志が弱いと勉強が疎かになりますが、「1日に2講座受講する」といった講座を通じて目標を立てやすくすることには意味があると思います。
以上から、予備校はおすすめします。
「どの予備校がいいのか?」という質問がありそうですが、それに関しては以下をご確認ください。
一応おすすめはあるのですが、「基本的にどれでも大丈夫」が僕のスタンスです。
おすすめ勉強法
ベースは『CBTのおすすめ勉強法』とほとんど同じです。
「“CBT対策用の” 勉強は存在せず、CBT対策とはすなわち医師国家試験に向けての土台づくりに他ならない」と言いました。
要はその土台をさらに積み上げていけばいいので、勉強スタイルはほとんど変わりません。
キーポイントは変わらず「同じものを使用する」です。
CBTの時から同じ教科書を利用していたことによる「あの辺りにこういうことが書いてあったなぁ」が、この時期にかなり有利に働いてきます。
5年生ではインプットに比重を置いて、6年生ではアウトプットに比重を置いて勉強します。
インプットに使用するのは参考にしてきた教科書か予備校の講義ノート(または両方)になります。
教科書でインプットするのであれば予備校の講義ノートはなくても大丈夫です。予備校の講義ノートは必要十分を意識しているため情報量は教科書の方が多いからです。
ただし教科書でインプットをする場合は、どのあたりが重要かを意識して濃淡をつけながら行わないとオーバーワークになる可能性があります。そうなるとかなり非効率になってしまうため気をつけましょう。
予備校の講義ノートでインプットするのももちろんOKです。というか、おそらく大部分の人がこの方法をとることになります。この場合、足りない情報を適宜書き込むなり教科書からコピーして貼るなりして、自分オリジナルのノート作成をしていくことになると思います。
予備校ノートを元にしたオリジナルノートを作成する場合の注意点としては、それをやりすぎると「じゃあ教科書でいいじゃん」となることと、ノートをまとめることに集中しすぎて手段(ノートをまとめること)が目的化してしまうことです。
これは本当に結構な人がやっちゃうので気をつけてください。
アウトプットのポイントは、「周回すること」と「初めから完璧を目指さない」でしたね。
各周回毎に明らかに大丈夫な問題を除外していくんでしたね。
たまにアウトプットを疎かにする人がいますが、アウトプットはかなり大事です。
「知識があること」と、その「持っている知識を問題を解くことに利用する」ことには差があります。
きちんとアウトプットを実行してください。そうしないと、この差に気がつかないことになります。
そして、知識があったのに解けなかった問題に出くわした際に、「なぜ知識があるのにこの問題が解けなかったのか」をきちんと追求します。
これを詰めることができるかどうかが、成績がトップ層になるかどうかの分かれ目です。
医師国家試験の問題集は量が膨大なので、「1周目問題」的なものを最大限利用します。
予備校の問題集にしろクエスチョン・バンクにしろ必ずそういう問題が用意されています。こういうものを上手に利用します。
問題集の使い方に関しては、この記事を参考にしてください。
5年生の時に1周目問題をほとんど解ける状態になっていると、頻度の高い疾患の基本的な理解が出来上がっています。
あとは6年生になってから、応用を追加していき、まれな疾患にも対応していきます。
「最初から完璧にする」のではなく、「徐々に完璧にする」イメージです。
終わりに
いかがでしたでしょうか。書いてみれば当然のことばかりだと思います。
ですが、成績が伸びない人ほどこういう当然のことができていない事が多いです。
「この問題は間違えたけど、知識はあったので次は大丈夫」などのように、自分の都合がいいように解釈してしまいます。
また、初めから問題を最初から最後まで完璧に解こうとしたりします。
結局過去に誰かが失敗した方法をしてしまっているわけですね。
誰かにとっては過去のことかもしれませんが、そのことを知っていないと、“その人にとってはそれが初めて” なわけです。
だから、毎年毎年、かなりの人数が同じ様な過ちを繰り返してしまうんでしょうね。
そうならないように、このブログを書いています。参考にしていただけたらと思います。
すみません、国試苦戦中の金子裕介です。
国試勉強法を見直したくてこのページを参照させてもらいます。
広大なインターネットの中から当チャンネルをご覧いただきありがとうございます。
お返事おくれ申し訳ございません。
当チャンネルがどこまで参考になっているかわかりませんが、少しでもお力になれているのであればこれ以上のことはありません。
医学部に入れる力があれば、国家試験は問題なく通ります。
周りの声は、気になるでしょうがまずはサイト内でも繰り返しているように、土台の知識を作るのに専念してください。
土台の知識さえ身につければ枝葉の知識は国家試験問題集を解いているうちにでも身につけられます。
陰ながら応援しております。