今回はみんなも気になるであろうこの話題について書きたいと思います。
ただ、タイトルに比較とありますが、僕が実際に利用したのはこの中の2つ(とβ版で少し利用したものを含めると3つ)のみです。ですから残念ながら完全な比較はどうしても不可能です。
内容的にどうしても主観的にならざるを得ないのですが、それを了解の上で読んでいただければと思います。
また、長くなったので2つに分けました。この記事では各予備校の概略を書いていきます。
こちらも合わせてご覧ください。
各予備校の概略
その前に注意点
注意点が3点あります。
1つ目は今回は前提条件として現役生を考えていることです。
2つ目は評価に値段は入れていません。
3つ目は最新の情報ではない可能性があります。
一応、2つ目の値段に関して言えば、Medu4・メディックメディア(Q-Assist)は安さが売りになります。
他の3社予備校に関しては、現役生のインターネット講座であれば基本大学単位での申し込みでは値引きされるため値段はそこまで差は付きません。
値段を評価に入れないのは、予備校間でそこまで大差ないことと、みなさん複数の予備校講座を受講することが多いため評価にそこまで意味がないからです。
また、内容に関してはできる限り公式ホームページを確認しつつ記載しています。しかし、既に研修医2年目の身であり、最新の講座を受けているわけではありませんし、当時を思い返しながらの記載となっています。
必要に応じて記事を書き直したりしますが、各自最新の情報は大学内の担当者に聞いていただきたいと思います。
TECOM
僕(2019年卒)の数代上ぐらいまでは次のMECと合わせて2大メジャーの存在でした。ちなみに、僕の大学はTECOMをとっている人が大多数でした。
三苫先生がメイン講師であり、5-6年生にかけて配信される「SELECT」と呼ばれる基礎講座を臓器別から小児・産婦・マイナーまでほぼ一人(HPを拝見していると今はある程度分けている感じですね)で担当し、さらに6年生後半の「SHIKETAI」や「TARGET」と呼ばれる実践講座へ繋げていきます。
僕の1つ上の代までは、講義ノートは全て板書されたものを写してゼロから作り上げていくスタイルでした。ですが、「臨床実習の少ない時間を上手く利用できるように」との配慮から、僕らの代から現在の形である書き込み式に移行しています。
また、それに合わせて講義時間も従来の1講座90分から30分前後へ短縮されています。そのために、講座数がかなり多くなっています。
残念ながら僕自身は5年生の時にサンプル動画を観ただけですので、講座に関しての感想はありません。
大学内ではTECOMが大半でしたが、周りの評判ですと、気になるところでは「三苫先生が合わない」という人がちらほらいました。合う人合わない人はかなり個人的なものになってしまいますので、心配であれば受講する前にサンプル動画で確認しておく方がいいかも知れません。
MEC
僕が受講していたものです。TECOMと合わせて以前の2大メジャーですね。
Dr.渡が5年生のメイン講義である臓器別講座を、マイナー・産婦・小児などはそれぞれ担当の各講師陣がつとめ、Dr.孝志郎が6年生のメインである「サマライズ」という講義でメジャー・マイナーの対策をしていきます。
臓器別講座のノートは書き込み形式ですね。1講座時間は80分前後です。
Dr.孝志郎の講座は人気( “よく的中する” という人気も)で、「TECOMを受けていても、6年生ではサマライズを受講する」という人は全国的に結構います。
僕の大学でも、5年生の時点ではTECOMが圧倒的多数でしたが、6年生の時には半分近い人がMECのサマライズへ移行していました。
MECに関しては受講していたので本音で感想を書いてみます。全国多数いる中のいち利用者の意見として聞いてもらえればと思います。
Dr.孝志郎以外のDr.渡を含めた講師陣は「無難」といったのが正直なところです(講師紹介を見ると知らない人が結構いますので、その講師陣はわかりません)。
これは5年生の時点で既に医師国家試験の土台が出来上がっていたため、他の人よりもそう感じやすかっただけかも知れません。ただ、逆に言えば「わかりにくい」などの不満も特にありませんでした。
Dr.孝志郎の講座に関しては「(臨床も含めて)話が面白い上に、疾患の理解にも非常に役立った」です。
個人的には「どうせ講座を受けるなら臨床像見えるような講義がいいなぁ」と思っていたのですが、Dr.孝志郎の講義はその考えに非常にマッチしているもので、その疾患に対する臨床像をつけやすくしてくれます。またそもそも話が上手なので飽きずに楽しく観ることができました。
もちろん内容にも満足していて、医師国試試験の土台ができていると状態であったにもかかわらず、「なるほど、この疾患はこういう見方をするのか」というものが多々ありました。
個人的にDr.孝志郎は今いる予備校の講師陣の中で、話の上手さ・教え方の上手さなどを総合すると一番ではないかと思っています。
Dr.孝志郎の講座に関しては個人的にかなり満足しています。
Medu4
穂澄先生が2015年に立ち上げたオンライン予備校です。
まあ、なんと言っても講師である穂澄先生の経歴の凄さが特徴でしょう。
鉄門出身で、大学生の頃から東大受験生相手に大学受験講義をしてきたらしく、「教育」に非常に興味をもたれている先生です。
初期研修を行う前にマッキンゼーで働き、その後初期研修に戻って研修を修了した後MECで講座を担当して実力をつけ、2015年に独立しています(確か)。
正直、Medu4と穂澄先生の存在は医師国家試験予備校の新規参入の最大の壁として立ちはだかっていると思います。それぐらい隙が見当たりません。
かなり用意周到に医学部予備校の世界に参入してきていると感じます。マッキンゼーで働いていたことすら、それを見越してのものではないかと思ってしまうほどです。
僕は4年生の時にmedu4を使用しました。僕が4年生の時は2016年に当たるのですが、4年生の早めの時期から2015年の講座を使って勉強していて、講座としては1期生にあたります。なので、最初は講座を受講する時に本当に大丈夫だろうかと少し不安になったのを覚えています。
そんな1期生の講座をとることにした理由として、YouTube での穂澄先生の想いや考え方に非常に共感したことがあります。
僕が鉄門出身者に言うのもおこがましいですが、YuTubeで拝見していると、勉強ができるだけではなく、いわゆる「頭のいい人」で、しかも能力があるだけではなく、教育に関心があること、プライドと向上心があること、新しいものを生み出していく力など、総合力は完璧に限りなく近いです。
間違いなく今後一番の予備校になるという確信にいたり、最終的には迷いなく受講しました。
講座に関してはメジャーからマイナーまで基本的に全て穂澄先生が担当しています。1年間で全ての分野を学ぶスケジュールになっています。
講義ノートは書き込み式です。次世代のスタイルであることを売りにしているだけあり、iPadなどのタブレットとの相性がすごくいいです。
講座は医師国家試験のツボを良く押さえたものになっており、「わかりやすいな」と思いながら聞いていました。
僕の医師国家試験の土台づくりに一番貢献したのが、Medu4の講座と講義ノートであることは疑いようがないです。満足度はかなり高いです。
メディックメディア(Q-Assist)
僕らの頃はβ版でまだまだお試し状態でした。
2大講師がDr.清澤とDr.盛永です。
Dr.清澤は10年以上国試対策をしてきた先生で、Dr.盛永は普段は臨床をされている先生です。
なんと言っても最大の特徴は “メディックメディア” であることでしょう。『病気がみえる』『クエスチョン・バンク』などとの相性がとてもいいです。
講義ノートは書込み式で、講義時間は10分程度のものがたくさんあります。
クエスチョン・バンクを購入したさいのコードを利用することでアプリの「mediLink」を使ってタブレットで問題集を解くことができます。問題の検索ができたり、自分独自の問題セットが作れたりします。僕はこれのヘビーユーザーでした。
僕はDr.清澤とDr.盛永の講義は実際に少しだけ受けました。とっていたMECの放射線科の講座の担当が当時Dr.清澤であり、また5年生の時にQ-Assistが公衆衛生の講座を無料で公開しており、その講座をDr.盛永が担当していました。
Dr.清澤とDr.盛永とも印象としては「わかりやすいような気がするが、まあ無難なところ」でした。ただ、これに関しては、放射線科の講座であることと、Dr.盛永の得意とするところの臨床とはあまり関係のない講座であった影響が大きいと思います。
実際に、周りの同級生の評判はいい方が圧倒的に多かったです。
番外編 MAC
MAC?となる人は一定数いると思います。圧倒的にマイナーな存在です。
じゃあ、なぜそんなマイナーな予備校を知っているのかというと、好きな教科書に『iMedicine』があると以前言いました。
「この本、誰が執筆・出版しているのだろうか」と調べたところ、MACという予備校とDr.東田の存在を知りました。
自分もとっておらず周りも誰も受講していないため、情報がほとんどないです。
僕は予備校を受講する理由の一つに、「皆と同じものを受講している」という精神的な安心感があると思っています。
残念ながらMACは(少なくとも現役生は)それに合致しないため、評価範囲外の番外編とします。