もう少しで今年度が、そして僕の研修生活が終了するということで、今回はこの話題にしました。
まあ、雑談みたいなものです。
僕は初期研修を大学病院のたすきがけプログラム(1年目が市中病院、2年目が大学病院)にしたのですが、まず初めに言っておくべきなのは、僕はたすきがけプログラムにしたこと自体に後悔はありません。
というのも、たすきがけで研修した大学病院の某科に入局も考えていたのですが、その科で研修して結局志望科が変更になったからです。ちなみに、別にその医局の雰囲気が悪かったからではないです。
2年間市中病院で研修した後いきなり入局していたら、「やっぱり違ったかも」って思った時に変更がしづらく、下手をしたらそのままその診療科でずっと「あの科の方が良かったかもしれない」というモヤモヤを持って医師を続けていたかもしれません。
ですが、今回は前提として、 “もし今選択した診療科に進むことが決まっていたら” としようと思います。
歴史に “if” を持ち込むのは良くないのと同じく意味のない仮定かもしれませんが、ブログでのただの雑談なんで気にしないでください。
じゃあ、どのその前提だとどの病院を選んでいたか。
大学病院ではなくて市中病院で2年間研修することは間違いないです。
その市中病院での研修で、悩んでいる2パターンがあって決定できていません。というのも、病院見学できない(していない)からです。もし今自分が医学生なら、この2パターンの病院を見学に行って自分にしっくりくる方を選ぶでしょう。
パターン1 総合内科病棟系病院
そのままで、総合内科病棟で診療している病院のことです。
ここで注意なのが、ここには、例えば国立国際医療研究センター病院の様な全ての診療科が揃っている上で存在している総合診療科は含まれていません。
そうではなくて、本当に全ての診療科を一手に引き受けているような総合病棟をイメージしています。こちらも例を挙げるなら、有名どころだと東京ベイ・浦安市川医療センター病院、そして診療科は別れているけどレジデントは総合内科的な病棟研修を採用している聖路加国際病院です。
なぜ総合内科病棟系かというと、結局総合内科診療マインドを身につけるには総合内科しかないだろう、という発想です。
この場合、例えば国立国際医療研究センター病院の総診療科だと、各科に患者さんが振り分けられた後の疾患を中心に診るという、ある意味専門科になってしまうので、それを除外しているという感じです。
もちろん総合内科病棟の病院でも循環器内科や消化器内科といった手技をメインとする診療科は独立していることが多いです。東京ベイ・浦安市川医療センター病院なんかもそうですよね。これは特質上、やむをえないでしょう。
僕は初期研修ではいわゆるローテーション型でした。
そうすると、各診療科をまわった時にどうしても専門すぎることをやらざるを得ないことになります。当然と言えば当然です。
ですが、僕が例えば腎臓内科に進むとして、血液内科で研修した時に患者さんの骨髄移植を中心に勉強したとして、それが将来どこまで役に立つでしょうか。そんなことは専門家でないと手が出せない領域です。
それよりも、自分が実際に診療できる範囲を伸ばすことが将来内科外来や病棟を担当する上で大事ではないでしょうか。そう考えると総合内科病棟が一番しっくりきます。
パターン2 各科ローテーション系病院
オーソドックスですが、内科各科をきちんとローテーションする病院です。
僕の初期研修での後悔をあげるなら内科の全ての診療科をローテーションすることができなかったことです。
総合診療マインドを持った医師になりたいと思っている僕にとって、これは実は結構痛手でした。大学病院のたすきがけで、大学病院から外科や小児科や産婦人科などを取ることを研修修了要件に入れられていたので、回りきれませんでした。
例えば腎臓内科をまわっていないのですが、腎疾患を持っている人はたくさんいます。この疾患のこの後はどういった診療の流れになるんだろうか、というものが体験していないため全然ピンときません。
また、各科ローテーションでもう一つメリットと考えているのが、 “限界の突破” です。
このままでは意味がわからないですよね。説明します。
まあ、これは先の「体験していないためピンとこない」と同じようなことなのですが、初期研修期間中、救急を結構しっかりと研修したのですが、例えば救急をずっとやっていたら今以上にもっと成長していたかと言われると疑問が残ります。
というのも成長曲線が鈍化するからです。もちろん成長もするでしょうが、新たな視点がなかなか入ってきません。
救急外来で心疾患系の患者さんの対応が自分になりに良くなったと感じているのですが、それは救急外来で慣れたからではなく、循環器内科で研修したおかげで循環器疾患のバックボーンの知識が増えたため、僕の診療能力に幅が出たためです。
もちろん救急科をさらに深めていくことも大事ですが、圧倒的に他科の知識が足りていない初期研修あたりであると、各科ローテーションのメリットは結構大きいのではないかとも感じるのです。
結局どうするか
特に総合内科病棟の研修を体験したことがないので難しいところなのですが、自分なりの結論を出してみます。
おそらく “初期研修では総合内科系を選び、専攻医で各科ローテーションをさせてくれる病院を選んだ” と思います。
総合内科病棟で2年間しっかりと学んで自分なりの対応力をつけ、さらにそれを各科ローテーションで発展させる、という感じです。
個人的にはそうすることによってたとえ入局が数年遅れようが全く気になりません。
専攻医研修では専攻科のみをローテーションする病院が多いですが、1ヶ月ごとや数ヶ月ごと研修必須な病院はそれなりにあります。有名どころでは虎の門病院は各科ローテーションが必須ですね。
最初の2年間で救急外来と総合内科病棟で内科一般の知識に集中して勉強すると、それなりに各科の疾患でのマネジメントに関して疑問が出てくるはずです。それを専攻医研修での内科ローテーション時に補います。その際は、一般的な知識もついているので、より発展的な内容も学びやすくなっているでしょう。
最初から各科ローテーションもありだとは思うのですが、内科一般の知識がままならない中で研修しても、中途半端になってしまう可能性があると考えました。
そうなるぐらいなら、初期研修に内科一般の知識を深める方が将来役に立つと思います。専攻医で内科をローテーションできなくても病棟できちんと対応できる力はつくはずです。
どうでしたでしょうか。
僕と同じく総合診療マインドを持った医師になりたいと考えている人は参考にしてみてください。