年が明けて、すでに1月も下旬になってしましました。
相変わらずのペースですが今年もよろしくお願いします。
ということで、年が明けて普通は「今年は頑張るぞ!」ってなる中、一発目はこんな話題にしてみました笑
久しぶりの投稿で「ずっと勉強してた」と書いたように、僕は結構勉強をコツコツし続ける方なのですが、別にハイパー思考ではありません。
医師国家試験の勉強法にも書いてますが、あくまでモットーは “医学部生活を充実させて欲しい” です。
それは初期研修以降も特に変わりません。
人生は楽しむことが大事なのであって、仕事なんて人生のほんの一部です。
これは僕の変わらぬ想いで、今も少しもこの気持ちは揺らいだことはありません。
ただ、どうしても医者の世界は古い体質のためかワーカホリックなことを “良し” とする人がまだまだ多いです(おそらく昔と比べて随分マシになったのでしょうが)。
仕事は所詮仕事で、そんな働き方が嫌な人はそれなりにいるかと思います(僕がそうですね)。
また、医学部に入ったけども、そもそも別に医療がそこまで好きでない人もいるでしょう。
そんな人たちのためにこんな話題にしてみました。
CMだと右下あたりに小さな字で ※個人的な感想です て書かれているような内容になってるでしょうが、参考にしてみてください。
ハイパー病院についてはこちら〜
時間に余裕があるというありがたさ
ありきたりではありますが、まず初めにハイポ病院の僕が思うメリットから入ってみたいと思います。
といっても、見出しにあるようにメリットは “自分の時間が持てる” のこの一言につきますね。
ほんとにこれ以上でもこれ以下でもないです。
そしてそれが万能です。
そして、皆さん社会人になるとこの見出しをヒシヒシと感じることになると思います。
どこかでも書きましたが、社会人になると本当に時間をもっていかれます。時間の搾取です。
マルクスの『資本論』ではないですが、サービス業で生産手段を持たない我々は変わらず搾取される立場なんですね笑
時間が余裕があるということは素晴らしいもので、その時間を仕事に使ってもいいですし、遊びに使うも自由です。
そして、時間があると身体的健康と精神的健康、このふたつも自動的についてきます。
というか、ハイパーすぎるとこの二つを犠牲にします。
睡眠時間が短すぎて健康が崩れ、朝起きると憂鬱になり、結果精神的にもやられてしまう。
研修医が激務に耐えられず自殺したって事件が昔ありましたね。
それでは仕事に人生潰されすぎです。手段(仕事)に目的(人生)を奪われすぎです。
ちなみに僕がしばらくブログを更新できなかったのは時間がなかったからですキリッ(今はめんどくさいからです笑)。
日頃忙しすぎるとせっかくの休みも睡眠にあてることになったりします。
また、そもそも研修するあたって身体的・精神的健康は重要です。
何より人の命を預かっている職業なのに頭が十分に働かない状況で患者さんに対応するとか危なすぎです。
健康管理も仕事の一つなんです。
ちなみに、何も初期研修医だけが特別激務なわけではありません。後期研修になってもしんどい病院はしんどいです。
が、初期研修医時代の方が辛さを感じやすです。それは初期研修医はそもそも病院での仕事になてれてないからです。それが特に精神面でのしんどさを助長するのです。
一番ストレスを感じやすいスタートをハイポ病院からスタートするのは、体力に自身のない方にはいい選択だと思います。
「ハイパー病院で研修=デキレジ」は本当なのか?
これは結構気になるところじゃないでしょうか。
一般のイメージとしてはやはり「ハイパー病院=デキレジ」、「ハイポ病院=ダメレジ」かと思います。
僕自身、初期研修でローテーションしていく中でハイパーな科とハイポな科の両方を経験しました。
そしてそこで感じたのが、学生時代に思っていたのとは裏腹に、ハイパーな方が身に付く(勉強になる)という考えは必ずしも当てはまらないということです。
その最たる理由は、勉強する時間が作れないために自分のやっている診療が正しいかどうか確認できる時間がない(少ない)からです。
つまり、ハイパー病院だと日常診療に時間をもっていかれすぎて成長のために必須のPDCAサイクルを回せないんです。
忙しい診療科というのは上の先生たちも忙しく、丁寧に対応してくれるのはなかな期待できません。
先輩研修医に聞くのももちろんありですが、医者2年目なんてペーペーもいいところで、他の先輩たちがやってきたから自分もそうやっているってパターンがかなり多いです。
自分がやっている診療にエビデンスがあるのかないのかはやはり文献をあたらないといけないのですが、なかなかその時間が取れないために、本当に正解なのかどうかがわからないまま、後回しになっていくことがほとんどです。
まあ、この辺を後回しにせずきちんとこなせる人はそもそも学生時代から優秀ですしね。
PDCAサイクルを回せずDDDD一辺倒になった結果、 “肝心なことはわかっていないが、経験はそこそこ積んだ” 状態になります。
これが結構厄介なところで、中途半端に有名病院で研修すると “やっていること” と “できていること” をイコールで結んでしまって、とりあえず動けている人をできている人と勘違いしやすいんですね。
きちんとわかった上でできた結果仕事が速いのと、ただその業務に慣れた結果仕事が速いのでは、外から見える分には大きく違いないですが、中身は恐ろしいほど違います。
レジナビなどの病院見学の感想などのところに「テキパキ動いていてすごく優秀でした」みたいなコメントがまさにコレですよね。
正直なところ、臨床に出たことがない医学生が初期研修医が本当に優秀かどうかなんてわかるはずはありません。完全に外らからの動きのみで判断しているわけですね(中身を見抜けている稀有な人もいるかもしれませんが)。
もちろん、医学部に入ってくるような連中の中には、経験したものを効率よくすぐに “できる状態” に昇華できるような強者もいるでしょう。
また、初期研修医になったからには「いや、忙しい中、自分は夜遅くまで残ってPCAを実践してみせる」って方もいるかもしれません。
そういった方々は是非ハイパー病院にチャレンジしてみてください。おそらく、かなりのデキレジになれるはずです。
もちろん “経験する” ということは非常に重要でもあります。
自分から勉強できないけど、一定の診療能力が欲しいって人はハイパーの中、揉まれるのもまた一つの考え方です。
成長するためにはPDCAサイクルをひたすら繰り返す以外に方法はありません。
これを前提に、時間がない中でも効率よく頑張り続けられるのか、それとも時間を持ちつつゆっくり積み上げたいのか。
研修するにあたって、自分のタイプをよく確認してみてください。
最終的にはその人次第なんだけど・・・
じゃあ、デメリットはないのかと問われれば、もちろんあります。
それはハイポすぎるところを選ぶと自然とやる気がない人たちが集まってきやいことです。
そうなると、ハイポ病院を選びつつ研修もしっかりしようと思っていても、よほど信念がない限り周りに流されることになります。結果「ハイポ病院=ダメレジ」になってしまいます。
自分自身の能力は結構周りの能力に影響されます。
周りがあまりに勉強しない人たちばかりだと、それが普通の状況になってしまい、自分がダメレジ一直線の道を歩んでいたとしても、そもそもそれに気がつかないという恐ろしさがあります。
もちろん、ハイポ病院にもデキレジがいますし、ハイパー病院にもダメレジはいます。
が、医師国家試験であれば模試などがあるので、定期的に自分の立ち位置(能力・順位)を確認する術があるのですが、初期研修医にはそれがありません。
そのため知らぬ間にダメレジになっている可能性があり得るのです。
実は、この「自分の研修はこれで大丈夫なのか」問題は僕自身結構感じていました。
初期研修1年目はいわゆる有名病院かつハイパーな印象を持たれている病院で研修してたのですが、正解がわからないままひたすら悩み続けていました。
有名ハイパー病院ですらそう感じていたんです。いわんや、ハイポ病院をや、です。
「別にデキレジを目指している訳でもないし、ダメレジだとしてそれなりに給料をもらってやっていけるから問題ない」と思われる方もいるかもしれません。
確かにそうなのですが、医師である以上、臨床をやっていくにはどうしても当直という問題が出てきます。
後期研修医になって一番怖いのが、2年目から3年目になった瞬間、いきなり救急や当直急変した患者さんを自分でどうにかしないといけなくなることです。
文字通り何もできないと、最悪の場合訴訟という問題が発生します。
ハイポな人生を送るにしても、最低限の診療能力は自分の身を守るうえでも必須です。
ハイポ病院希望で見学しに行ったときは、その辺をよく意識しながら選択肢の病院としてどうなのか、を考えてみてください。
最終的にはその人次第です。
どうしてもこの言葉に行き着きます。
医師国家試験を特に誰からの助けもなくコツコツ続けられた人はおそらくどこ行っても自分でPDCAを回し続けられるため、大きな問題はないでしょう。
そうじゃないけどハイポ病院がいい人は、リスク・ベネフィットをよく考えて決定してください。
そして、「ハイパーもハイポもどちらもなんか違う」と感じている大多数のそこのあなた。
無難に普通の研修病院を選んでください。
そしてそれが正解です。
所詮、仕事は仕事です。
悩むぐらいならばここ(初期研修)で変に冒険する必要はありません。