前回ハイポ病院についてつらつら書きました。
せっかくなんで、ハイパー病院についても書かないと不平等かなと思い、今度はハイパー病院について書いてみます。
なんやかんやでデキレジの登竜門であるハイパー病院。
どうしても噂先行になってしまうハイパー病院。
初期研修医を地獄?に叩き落とすハイパー病院。
今回はそんなハイパー病院のあれこれ〜
デキレジになりたければやっぱり候補だよ
なんやかんや、こうなりますね。やっぱり。
前回も触れてますが、僕自身1年目はいわゆるハイパー病院(準ハイパー病院ぐらいかな?)扱いされているような病院で研修してました。
関東圏で研修病院探しをしている人なら、少なくとも病院名は聞いたことあるって人が結構いるはずです(別に自慢したいわけではありませんので悪しからず)。
その病院で1年目の研修を終え、(たすき掛けであったため)2年目を大学病院で研修した時にまず初めに気がついたことが、やっぱりハイパー病院に来ているひとたちの方が勉強をちゃんとしてるなってことでした。
前回にも述べたように、自分の能力はかなり周りに影響されます。
どんなに勉強しないタイプであったとしても、周りが勉強していると流石に焦りが出てきたりしてつられて勉強し始めます。
全く勉強せず、特にやる気もない人たちがやっている “普通” の診療と、やる気があり勉強する人たちの “普通” の診療では、 “普通” の間に恐ろしいほどの差が出ます。
もちろん、ハイパー病院出身の人たちは後者に属するわけです。
ハイパー病院で研修するということは、そういった人たちが多くいる中で常日頃揉まれていくわけで、結果最低限のことをしていれば一定の診療能力を身につけられることになります。
ハイパー病院出身だと聞くと、ある程度できるんだなって皆さんが思うのはここから来ているんですね。
まあ、上記の診療能力の差に関しては、仮にハイポ病院にいたとしても自分の努力でなんとでもでき得るので決定的とまでは言えません。
じゃあ、ハイパー病院の最大の魅力とは何か。
それは、初期研修医界のトップ層を肌で感じることができる点だと僕は思ってます。
以前にもお伝えしましたが、初期研修医は医師国家試験の時とは違いどうしても物差しがありません。模試などがありませんから。
個人的にはこれが初期研修期間中の結構な悩みのタネでした。
日頃勉強を積み重ねていても、それが正解なのかどうかわからないのです。
似たような研修の日々を過ごしていく中で、「僕は果たして成長しているのだろうか」と自問自答し続けました(そしてもちろん答えが得られない)。
それを解決してくれる存在がいてくれるのがハイパー病院なのです。
ハイパー病院の先輩や同期に必ずやる気と能力を備えた人が一人はいます。
そういったデキレジの背中を見ることができるのは本当によい物差しになってくれます。
もちろん、一般的な病院にもできる先生はいるでしょう。しかし、身近な存在にいるということが大事なのです。
医師年数が離れている人ももちろん参考になるのですが、すでに専門医課程に入っており正確な判断がしにくいです(専門的なことだと自分の知識的に追いつかず、それだけですごいと判断しがち)。
それに対し、特に1年上の先輩だと、「あと1年で自分もこうなれるのか」とヨリ具体的に考えることができるのが良いのです。
僕は1年目2年目ともにそういった人たちを得ることができました。それによって自分の研修の仕方は間違っていなかったと確信を持つことができました。
目標が定めにくい研修期間中に光を差してくれる存在に出会うことができる。
デキレジになりたいのであれば、こういった存在に出会いやすいハイパー病院はやはり候補になるでしょう。
忙しさに関しては意外とそうでもない・・・はず
デキレジ(とは行かないまでもそこそこの研修医に)になりたい気持ちはあっても、どうしてもハイパー病院に対して二の足を踏んでしまう理由の一つが名前の由来になっているその忙しさでしょう。
これに関しては実はそこまで気にしないで大丈夫です。
僕自身が一応そういった病院で研修していましたし、これまでに超有名ハイパー病院出身の人たちに何人も出会って来ましたが、「やっぱり忙しかったですか?」の質問に対しての返答は大体が「そうでもないよ」でした(そして僕自身の研修もそうでした)。
そして、意外と2年目の大学病院の方が雑用が多くて忙しかったりしました。
研修で忙しいのにはほとんどパターンがあります。
外科系と手技が多い内科系(循環器内科と消化器内科など)、(ER)当直あたりです。
これ以外を研修している時はあまり忙しくないことがほとんどです(もちろん病院にもよりますが)。
つまりローテートをしている限り、年中忙しいということはほとんどないはずです。
また、忙しい期間と言っても上記を研修している間ですので、数ヶ月程度を何度か程度です。
終わりのない忙しさは耐えられないでしょうが、数ヶ月程度で終わりがあるとわかっているのなら、人間意外と大丈夫なもんです。
勉強はできなくても大丈夫
これが二の足を踏む二つ目って言った感じでしょうか。
これに関しても全くもって大丈夫です。
大体、有名ハイパー病院に入ろうとすると選考試験を課されると思いますが、入ることができるのであれば一定の能力はあると思われているのでもはやそれで十分です。
というか、ハイパー病院は割とキャラ重視選考だったりします。
こういうと不遜なやつだと思われるので本当はちょっと嫌なのですが、僕自身は1-2年の研修期間中に自分より勉強ができると感じた人はいませんでした(そう思うだけの勉強はコツコツと続けてましたからね)。
というか、ハイパー病院といえどもほとんどの人が平均値ぐらいです。「こんなもんか」って印象です。その中に数人能力とやる気を重ね持っている人が含まれる感じです。
なので、医師国家試験の模試や大学での成績が平均値程度あるのなら、ハイパー病院を選択肢に入れてもらって大丈夫です。
悩むぐらいなら行ってしまえ!
これが結論ですね。
ハイパー病院に興味があるのなら受けない理由はないです。
人間、やらないことに後悔する生き物です。
少しでも選択肢にあるのならまずは病院見学に行ってみてください。
有名ハイパー病院見学するだけでも価値はあるかと思います。
それこそ自分の病院選択の物差しにできますし。
見学して「これにはついていけない」と思うのなら選択肢から外せばいいだけです。
デキレジを目指したい人にとってハイパー病院の環境はやはり魅力的に映るはずです。