
前回までで、一般的な医学生の1年生〜6年生までの流れを書きました。
また『ブログを始めたワケ』に、僕自身が成績のいい人のブログを参考にすることで成績がよくなったことを述べました。
自分で自分の成績がいいというのは本当は気が引けるのですが、成績がいい人はどんなことをやっているのかはやはり興味があるところだと思います。
そしてそれを伝えたいと思いブログを始めました。
ですので、多少なりとも参考になればと思い、僕が医学部生活で勉強したことをざっくりと述べたいと思います。
1・2・3年生
僕が後々勉強に困らなかった理由の一つである “成書の通読” を身につけた時期です。
特に基礎医学の頃は時間的に余裕があることが多いです。その時間があることを利用し、基礎医学の時は成書と呼ばれる類の本を何度も通読していました。
例として、生理学をあげましょうか。
生理学の講義が始まる前に、「生理学 本 おすすめ」などとインターネットで検索して、当てになりそうなサイトから生理学の本をいくつかピックアップし、それを図書館で軽く調べてみて自分に合いそうなのを購入し、そしてそれを何度も通読していました。
成書と言われる本はかなり分厚いです。それを通読する人は今はほとんどいないのではないでしょうか。
僕自身も最初から通読するつもりではなかったのですが、必要なところを読んでいたら結局ほとんど読んでいたので、「じゃあ全部読むか」ぐらいのノリで始めました。
通読に対しては様々な意見があるかと思います。別にこの方法を勧めたい訳でもないです。てか、絶対万人向けではありません。
ですが、この時期に成書を通読することで分厚い本を通読することに対するアレルギーがなくなったことは、今振り返ってみるとかなり大きかったです。
個人的に思う通読の利点としては以下のものがあります。
- 全体像が把握できているからこそ理解できる部分が存在する
- 力を入れて読むべきところ、斜め読みでいいところ、など読むときの力の入れ具合を変更できるようになる
- 読むときの力の入れ方を身につけているので自然と速読になるし、その結果として多読できる
- 良書と言われる本は分厚いものが多い(『ハリソン内科学』とかそうですよね)が、躊躇なく購入できるようになる、そして実際に読める(買ったはいいが読めない人は結構多い)
特に3つ目・4つ目が大きいと思います。
もしこのブログを読まれている方で、「医師国家試験(模試)で全国100位以内に入る!」と思っている方がいるのであれば、もちろん基礎医学の本ではなくもいいのですが、ある程度分量のある本を通読・精読できる力を身につけることは大切だと思います。
幅広く、そして深く出題される医師国家試験において好成績を残したいのであれば、通読まではいかなくとも、 “読み込む力” は必須スキルだと感じています。
4年生
メインでやっていたのが『病気がみえる』の通読とMedu4です。
Medu4に関してはオンライン型の医師国家試験予備校だと思ってもらって大丈夫です。
予備校に関して知りたい人は以下をどうそ。
もはやMedu4は予備校のスタンダードになっているぐらいですが、僕が当時受講した頃は1期生でした。
1期生のものをお金を払って受講するのは結構勇気がいるのですが、YouTubeで穂澄先生がMedu4を始めた話を聞き、ものすごく共感できたため受講を決意しました。
結果、6年生になる頃には学年内でMedu4が徐々に評判になってきたので、先見の明があるなと自分でも思ってます笑
この時期にマイナーや社会医学まで含めてある程度医師国家試験の土台が完成した感じです。
マイナーや社会医学までの範囲を終えられたってのが良かったです。医師国家試験の範囲で言えばこれ以上新しく学ばなくていい訳ですから。あとは徐々に詰めていくだけでいいので気持ちが楽になりましたね。
ちなみにCBTに関しては予備校の講義はとりませんでした。基礎医学の範囲は流石に忘れていたので、それもあって秋頃ぐらいから市販の問題集を解いていました。結果は9割以上とれてました(詳しい数値は覚えてません)。
CBTの勉強法に関しては以下をどうぞ。
5年生
臨床実習をこなしつつ、クエスチョンバンク(以下、QB)を解きまくっていた時期です。今思うとかなり効率が悪いやり方になったので反省点ですね。
また、予備校の講義(MEC)もとることにしました。
が、正直5年生の頃のMECの講義の大半はほとんど役に立っていないです。
オンライン講義は1.3倍速ぐらいにして全部見たのですが、QBを利用していたためMECの冊子にある問題集も解いていないですし、講義ノートも全くメモっていません。白紙の状態です。
皆と同じことをやる(といっても同級生はほとんどTECOMだったのですが)という、精神安定剤としての役割ですかね。
「それだけのためにとったのか」と思われそうですが、そうではなく、MECにいるDr.孝志郎の講義が目的でした。自分で事前に色々調べて(それこそできる人のブログを参考にして)、Dr.孝志郎の講義は自分の求めているものに合致するのでは、と思い受講したのです。
この講義だけはノートを取りつつちゃんと問題も解きました。他のMECの講義とは違いこれはかなり役立ちました。間違いなく理解力のアップにつながっています。
あと、この時期に内科学の知識としてすごく役だったのが『iMedicine』シリーズですね。
「おすすめ本」として紹介しています。
『病気がみえる』シリーズは臨床が始まってからCBTまで約2年使ったのですが、飽きてきたのと、これ以上繰り返しても新しい視点が入らないので全部後輩にあげました。
マイナーに関しては『まとめてみた』シリーズがかなり良かったのでこれらを使用してました。
一つ上の学年が医師国家試験を受ける頃にはQBは全部解き終わっており、ほとんど完成している状態でした。もはやそこから先は医師国家試験の力としてはほとんど伸びていないです。
6年生
MECのDr.孝志郎が担当する講義を中心にしつつ、QBなどをやって医師国家試験の知識を忘れないようにしていた感じです。
ノートをとるのが嫌いだったため、5年生の時に買っていた『year note』をまとめノートがわりにして本格的に使用していました。なのでこの時期はもうMedu4のノートを使用していません。
医師国家試験向けの勉強は飽きていたので、熱量はもはやほとんどなく、忘れない程度で適度な維持を目指していました。その中で、Dr.孝志郎の講義は楽しかったので結構助かりました。
この頃は初期研修医向けの本を結構読んでました。さすがに医師国家試験前は不安をなくすために直近の過去問を復習していました。
ざっと述べましたが、こんなタイムスケジュールでした。
今振り返ると効率が悪かったなと思うことが多々ありますね。
また、教科書代はかなり使いました。先行投資と思っていたのですが、普通の家庭に生まれ育った僕には医学書は高価でしたので、おかげで結構節制して生活するハメになりました。
でも、今の僕があるのはこの学生時代の時の努力のおかげなので、そこはよしとしています。
番外編
USMLE(アメリカの医師試験)に興味はなかったのですが、英語の問題集は解いていました。
4・5年生の時に解剖学・生理学・病理学の本を1冊ずつ、6年生の時に『MKSAP for students』という問題集1冊と『ハリソン内科学』の問題集を1冊です。
英単語に慣れることが目的だったので、基礎医学の問題集に関してはやり込みはしていないです。本当に1度解いただけです。『MKSAP for students』と『ハリソン内科学』の問題集に関してはそこそこ繰り返しました。
おかげで今では英語の教科書もストレスフリーで読めます。必要時には英語の医学書も躊躇なく購入できるようになったので、読書できる幅が増えました。
やってて良かったと思います。
※『MKSAP』が気になる方はこちらをご参照ください