今回から数回は医学論文に関しての一般的な説明です。
恥ずかしながら、僕は医学論文の一般的な知識は全くありませんでした。
論文のイロハを知ったのは4年目ぐらいからです。
前回お話した抄読会に関しては、初期研修の時はとりあえず聞いたことのある『The New England Journal of Medicine』から選んだものをなんとなく使ってました。
3年目はわけもわからず先輩がよく使用していた journal を真似てそこから選んでました(今思えば自分の診療科の超メジャーな雑誌でした笑)。
で、4年目に入った時にそろそろ自分でも次のステージとして医学論文を読もうと思い、調べて今回書くようなことを知ることになります。
前回もお伝えしたように、医学論文を本格的に読み始める時期として4年目は今でも遅いと思ってません。
が、抄読会などの論文選びとかのことを考えると、「今回の内容はもっと早く知っておけば…」と思うことは多々ありました。
メインの対象は医学生や初期研修医あたりの人向けですので、「医学論文とは何ぞ?」って方は見てみてください。
そもそもどうやって見るの?
はい、これも僕は知りませんでした。
とりあえずインターネットを使えば読めるであろう事は知っていたので使っていたのですが、
ある論文は読めて、ある論文は読めない、とかよくわからない問題にぶち当たってました。
なので、「お、この論文を抄読会に使おう!」と思っても何故か読むことができず断念する、と言う経験もちらほら笑
僕以外にいますか?流石に僕が知らなさすぎるだけ?
正解を伝えると、基本は論文を読むにはインターネットを通じてであってます。
そして論文には購読量と言うものがかかります。
ただで読めるわけではないんですね。
では読めるものと読めないものがあるのはどう言うことかというと、無料で見れるものもあったりするからです。
少しずつ説明しますね。
例として『The New England Journal of Medicine』(NEJMとよく略されるので次からそうします)をあげますね。
まずNEJMのサイトを確認します。そうすると論文がずらっと並んでます。
その中に、free access と記載があります。これは購読量がかからないので読めます(試しにクリックしてみてください。全文が表示されるはずです)。
では、それ以外の論文はどうなるのか。
試しにクリックしてみると全文は表示されません。そしてアカウント作成を要求されます。
そう、アカウントを登録して購入する必要があります。
ちなみに値段としてどれくらいするかというと、どの雑誌の論文か、とか時間制とかネット上のみかPDFも必要か、とかで変わってくるのですが、大体フルアクセスで$50ぐらいします。
結構いい値しますね。
そうなんです。論文を読むにはお金がかかるのです。
教育的なものであれば無料で読めたりするものも例外としてあったりするのですが。
では、お金をかけずに読む方法はあるのか?
あります。
論文毎に購入する方法以外に年間購読という方法があります。
年間にいくらか払えば(もちろん値段は雑誌によります)、年間を通じてその雑誌の論文は読み放題です。
そして、この年間購読を(大学)病院がしてくれていることがあるのです。
特にNEJMといった超 major journal は医師であれば何科であっても教養としてどんな論文が載っているか目を通している人も多いです。
そういうレベルの雑誌は病院で年間購読してくれていることが多く、年間購読されている雑誌の論文であれば病院内の図書館とかのパソコンを通じてアクセスすると制限なく見ることができるのです。
なので、抄読会で論文を探す場合はその病院で契約している雑誌と見られるパソコンのありかを確認し、そこから選んで探すとスムーズです。
(今思うとこんな事も知らなかったのか…)
目的の論文を探すには?
抄読会での論文を探すときに有名論文から探すのはひとつの手です。
何よりも論文の質について余計なツッコミを受けません。
中途半端な論文を選んでしまうと、そもそもその論文が読むのに値するのか、みたいなツッコミを受けてしまいます。
が、NEJMなどの超有名雑誌であれば、「その雑誌に載っている」という圧倒的な付加価値があるのです。
何もそういった保守的な理由だけではなく、実際に今世界で話題の論文でもあるので、目を通す価値は十分にあります。
なので、抄読会の際は、有名雑誌の過去1年以内の論文の中から、当該診療科の論文でかつ抄読会に使われていないものを使用すれば、論文選びという点で大怪我することはまずありません。
ただ、論文を読むのは何も抄読会だけではありません。
他にも論文を読む必要がでてきます。
それが、診療で疑問に出会った時にそれを解決するための時です。
例えばレア疾患。
ガイドラインや教科書に記載がほとんどないレベルであれば自分で探すしかありません。
例えば診療中に治療法で疑問に思ったこと。
こちらもガイドラインや教科書に記載がなければ解決策を探すために文献が必要です(自分の勘任せではEBMになりませんからね)。
レア疾患に出会うことは(文字通り)なかなかないですが、後者はちょくちょく出会います。
その時にどうやって探すか。
NEJM内をひたすら探し回るわけにはいきません。
その時にPubMedが登場します。
端的に説明すると、論文のgoogle検索です。
みなさん日常で疑問が出たらどうするでしょうか?おそらくgoogle(やyahoo)で検索するのではないでしょうか。
それと全く同じです。
検索欄からキーワードを記載して検索します。
そうすると該当する論文が一覧で出てくるので、そこから目的の論文を探します。
複数のキーワードをAND/ORを使って組み合わせて検索するところなどはほとんど一緒ですね。
検索結果が論文になっているだけです。
ただ、いろいろな質の論文が混ざっています。
そんな中から、疑問点を解決してくれ、なおかつ質も担保されているものを選択するのは初期研修医とかでは結構難しかったりします。
なので、その辺を知らず自分の興味があるという理由だけでPubMedから探した論文を抄読会に使用すると、論文の質という観点で上級医から突っ込まれたりする訳です。
個人的に初期研修医の抄読会の要点はそこではないと思っているので、論文の質を突っ込むのは違うと思っているのですが(その辺は後期研修医あたりから学べばいいと思ってます)、
余計なツッコミを受けなくて済むので、初期研修医の皆さんは有名雑誌から選ぶようにしてください。
(そもそも有名雑誌を知らないよ!って人向けの記事を次に書こうかと思ってます)
what’s PubMed ?
PubMedは、米国国立医学図書館(NLM)が運営する世界最大規模の医学文献データベースです。
3,400万件以上の文献情報が無料で検索できる、まさに医学研究者の宝庫と言えます。