4年生のメインイベントはCBTとOSCEです。
これらの試験は僕が受験した時から時間が経ってますし、今高校生とかでこのブログを読んでおられる方がいたら更に時間が経つ訳ですから、その都度最新の情報を得てください。
CBTの勉強法はのちに別記事するので、ここでは概略のみを簡単に説明します。
医師国家試験の前哨戦? CBT
CBTと書いてそのままシービーティーと呼びます。
5年から本格的に始まる臨床実習に向けて、既に基礎医学・臨床医学を学び終えているのだから、「臨床実習をするに足る一定の学力を備えていますか」というのを見る試験です。
試験内容は基礎医学と臨床医学がともに入ります。幅広さで言えば医師国家試験より広いですね(医師国家試験はCBT程しっかりと基礎医学が問われることはないです)。
ただ、臨床医学に関しては、当然と言えば当然ですが、医師国家試験と比べて深さは全然ありません。本当に基本的なことだけです。出題される疾患もかなり限られています。
出題方法も医師国家試験と少し違ってまして、multiple questionなのは同じなのですが、CBTはパソコン上で行います(医師国家試験は紙にマークです)。しかも隣の人と問題が違います。
「問題が違う?」って感じですよね。説明します。
CBTの内容
CBTには、プール問題と新作問題があります。
プール問題が240問、新作問題が80問です。
CBTでは今まで試験の問題をプールしてあります。
毎年新作問題があるのですが、その際に受験生の正答率が低すぎる問題は悪問としてプール問題からは除外されています。
またプールされた各問題も、正答率をもとにその問題の難易度を決定されています。
プール問題はプールされている問題からの出題ですので、悪問は含まれていません。全問題が難易度をもとに採点されます。
新作問題に関してはその名の通り新作の問題です。ですが、この新作問題は自分の成績には反映されません。来年度以降の後輩達のプール問題としてストックされるためのものです。皆さんが受けて正答率が悪すぎた問題は悪問とされて、プール問題から除外されます。
プール問題からパソコンで各人適当に割り振られた問題を解くわけですから、隣の人と問題が違うわけです。
そうなると、簡単な問題が多くでた人と、難しい問題が多くでた人が出てくることになります(確率の問題です)。おそらく、できるだけそうならないような仕組みになっているとは思いますが、それでも差は出るはずです。
よってそのまま採点すると不公平になります。何問中何問正解したか、というような成績の出し方では、難しい問題が多く出た人が不利になるからです。
なのでIRTスコアというもので成績を出します。
難問が出題されて正解できた場合はIRTスコアが高くなります。難題がたくさん出て、それに多く正解できた人の成績が良くなります。結局運の要素は残りますが、多少マシになります。
僕たちの頃は大学毎に臨床実習が可能となるIRTスコアの基準が違っていたため、緩い大学とそうでない大学とで、留年の厳しさに多少の違いがありました。合格基準のおおよその目安として65%ぐらいの正答率でしょうか。
新作問題が採点されないため、(特に正答率が低めの人は)体感よりも正答率が1割ほど高くなると言われています。
ちなみに問題は公表されていないので、巷で売っているCBT向けの問題集は再現問題集となります。
CBTとマッチング
病院によってはCBTの成績を提出させる病院があります。
試験でいい点数を取る人が欲しいというより(病院独自の問題を出すところもあります)、医師国家試験に落ちそうな人の足切りに使っているのではないかと思います。
医師国家試験も控えていますし、並ぐらいの成績をとっておいた方が無難かと思います。
結構緊張するよ OSCE
OSCEと書いてオスキーと呼びます。こちらはスペルからは読めません。
模擬患者さんを相手に問診をしたりします。
試験の決まりとして何が出たかなどを伝えることは禁止されていますので、詳しくは書けないのですが、医療面接や身体診察などの診察能力をはかる試験です。
こちらも一応グラフとスコア化されていました。
お決まりのことをやるだけですので、こちらの試験を落としたという話はほとんど聞きません。逆にほとんどいないせいで落とすと噂になってしまいます。
試験当日は本当に緊張します。そして試験後に振り返ると結構いろいろとすっ飛ばしていたことに気がつきます。
実臨床に出ると身体診察は重要だなと、あらためて感じます。
CBTを優先してほとんどの人がやっつけで臨みますが、付け焼き刃だと、本番で本当に飛ぶのである程度の型は身につけてから挑んでください。