2年生の間に基礎医学の大半の科目を受講します。
生化学を乗り越えたのであれば、ほとんどは問題なくパスできるはずです。
そう、あの科目以外は・・・
基礎医学最大の壁 解剖学
生化学?まだまだだね
1年生の流れの中で、最初の壁が生化学と言いました。
医学部受験生は必ずしも高校生の時に生物を選択しているわけではありません(僕も物理と化学を選択しました)。
なのに大学で生物の応用である生化学をいきなり学ぶことになります。しかも分子生物学も避けて通ることができず、同級生の多くは苦痛ばかりで楽しくなさそうでした(ちなみに僕は基礎医学は好きです)。
でも以前に述べた通り、生化学は多くの人にとって最初の壁ではあるけれども最大の壁とは言えないはずです。
なぜなら、そう、基礎医学には解剖学があるからです。
the 暗記
解剖学実習。それは初めての医学部らしい実習になるでしょう。ご遺体を前にほとんどの人が「おわっ」と思うはずです。
解剖学が一番しんどくなる理由の一つとしてその実習があります。
他の基礎医学は座学が中心ですので、試験に向けて時間は取れるのですが、解剖学は実習をこなしつつ暗記もしていかないといけないため、時間的に余裕があまりありません。これがキツさを助長します。
しかも、その暗記がまたキツイ。なんと言っても単調です。ガチ暗記です。無味乾燥です。筋肉がどこから始まってどこに終わる(起始と停止といいます)かを覚えます。神経がどこを通ってどこの穴から出るかを覚えます。
解剖学実習中は「そんなん知らんがな」と何度も思いました。
もちろん実際に臨床をやると、「解剖学は大事だな」と思うことが結構あります(特に外科はそうですね)。でも、ハッキリいって学生にはそんなことはわかりません。だってまだ臨床してないですもの。
今振り返って、解剖学実習が臨床実習などに生きているかと問われると正直ビミョーです。というのも、臨床実習に出る頃にはほとんど忘れてるからです。必要になってその都度勉強しなおすって感じです。まあ、でも、それができるのは解剖学で一通り学んだからかも知れません。
解剖学実習はご遺体一体に対してグループで協力して実習します。解剖学実習はみんなキツイので、このグループはかなり仲良くなります。
みんなで協力してスムーズに進めましょう。
ラテン語なんてやってらんねぇ
解剖学をしんどくする二つ目の理由がラテン語(or 英語)です。
さすがにラテン語が試験で必須という大学は随分減ってきているとは思います。が、大学によってはあり得ます。解剖学の名称をラテン語で覚えるのです。
ラテン語を覚えたところで論文でラテン語が出てくる訳ではないし(論文はもちろん英語です)、英語じゃダメなのかと思っていました。
僕の大学では上の方の学年はラテン語が必須と聞いていました。
「マジかよー」と気持ちが沈んでいたのですが、僕達の学年は日本語でOKでした。これは本当にラッキーでした。
つまり、日本語だけでも十分キツイ暗記量であるのに、それを外国語(ラテン語 or 英語)でも覚えなければならない可能性があるのです。
ただでさえかなり多い暗記量がありながら、それに実習と外国語が加わる。
これが皆さんにとって解剖学を高い壁にしています。
解剖学教授の方針にもよるのですが、試験が厳しいのであれば間違いなく基礎医学最大の壁となるでしょう。
ここを乗り越えると、いよいよ臨床医学講義が見えてきます。